エコキュートの価格、まず知っておきたい2つの数字
エコキュートの価格を調べると、サイトによって「30万円台」「60万円台」「100万円以上」とバラバラな数字が出てきて混乱しやすいポイントです。
この差が生まれる理由はシンプルで、「メーカー希望小売価格(定価)」と「実際に工事費込みで支払う金額」という、性質の異なる2つの価格が世の中に混在しているためです。
「エコキュートの値段」で検索すると数字がバラバラで戸惑いますよね。まずはこの2つの価格の違いを整理していきましょう。
三菱電機が公式サイトで公開している価格一覧表では、一般的な370Lクラスの本体+リモコンの希望小売価格(税別)が約128万円と記載されています。
一方、ダイキン工業が公式サイトで案内している「ご購入価格の目安」では、同じ370Lクラス(3〜5人向け)が工事費込みで50万円〜70万円という目安が示されています。
同じ「エコキュートの価格」でも、定価ベースで語るか、工事費込みの実勢価格帯で語るかで、数字が大きく変わってくるわけです。
以下では、この2つの数字をメーカー公式情報にもとづいて整理したうえで、価格に差が出る要因と、2026年度に使える補助金の概要を紹介します。


メーカー希望小売価格(定価)はいくらか
三菱電機は公式サイトで、エコキュートの本体(システム)価格一覧表をPDFで公開しています(2026年8月19日確認)。
一般地向けモデルの「本体+リモコン」の希望小売価格(税別)は、タンク容量が大きくなるほど高くなる傾向があります。
| タンク容量クラス | 本体+リモコン 希望小売価格(税別) |
|---|---|
| 370Lクラス(標準タイプ) | 約128万円〜129万円 |
| 460Lクラス(標準タイプ) | 約139万円〜140万円 |
| 耐塩害仕様(海沿いなど塩害地域向け、同容量帯) | 標準モデルより高い価格設定 |
この価格一覧表には「商品の価格には配送・設置調整・据付工事などの費用は含まれておりません」と明記されています。
つまりここに載っているのは、あくまで機器そのものの定価であり、実際に工事をして使えるようにするまでの金額ではありません。
また、この価格は「メーカー希望小売価格」であり、家電量販店やリフォーム会社での実際の販売価格は、この定価から値引きされていることが一般的です。
比較サイトなどで「定価の◯%OFF」という表記をよく見かけるのは、この定価と実勢価格の差を指しています。
実際に払う金額(工事費込みの目安)とメーカーによる情報公開の違い
では、実際に工事費を含めていくら払うことになるのでしょうか。
ダイキン工業は公式サイトの「エコキュート ご購入価格の目安」ページで、機器代金と工事代金を含めた目安価格を公開しています(2026年8月19日確認)。
| タンク容量クラス | 工事費込みの目安価格 |
|---|---|
| 370Lクラス(3〜5人向け) | 50万円〜70万円 |
| 460Lクラス(4〜7人向け) | 60万円〜70万円 |
三菱電機の定価(370Lクラスで約128万円、工事費別)と比べると、ダイキン工業の工事費込み目安(370Lクラスで50万円〜70万円)はかなり低い水準です。
この差は、家電量販店やリフォーム会社が定価から値引きしたうえで工事費とセットの総額で販売する、日本の住宅設備業界でよくある販売形態を反映していると考えられます。
なお、ダイキン工業は「機器購入のみ、工事のみのご依頼については対応いたしかねます」とも案内しており、機器と工事をセットで提供する前提の目安価格です。
割引率の大きさだけで判断するのではなく、最終的に総額でいくら支払うことになるのかを基準に比較することが重要です。
パナソニックは公式サイトで価格を公開していない
パナソニックについては、三菱電機やダイキン工業のような希望小売価格・工事費込み目安価格の一覧を、公式サイト上で確認することができませんでした(2026年8月19日調査)。
販売店への問い合わせ・見積もり依頼が前提となっているようです。
メーカーによって価格情報の公開度合いが異なる点も、エコキュートの価格が分かりにくいと感じる一因になっています。
価格を左右する要因
同じエコキュートでも価格に差が出る要因は、メーカーが公開している製品ラインアップから読み取ることができます。
- タンク容量: 三菱電機の価格一覧表では、370Lクラスより460Lクラス、さらに550Lクラスと、タンク容量が大きくなるほど本体価格が高くなる傾向がある
- タイプ(フルオート/給湯専用など): 追い焚き・自動湯はり機能の有無や、貯湯ユニットの薄型・標準型といった仕様によって価格帯が分かれる
- 塩害対応仕様かどうか: 三菱電機の価格一覧表では、海沿いなど塩害の影響を受けやすい地域向けの耐塩害仕様モデルは、同じ容量帯の標準モデルより価格が高く設定されている
- 設置条件・工事内容: ダイキン工業も「設置条件や機種、工事内容によって価格が異なります」と明記しており、配管の状況や設置場所によって工事費が変動する
タイプによる価格差(三菱電機の例)
三菱電機の価格一覧表を見ると、同じ370Lクラスでも、機能によって本体+リモコンの希望小売価格(税別)に段階があることが分かります。
| タイプ(370Lクラスの例) | 本体+リモコン 希望小売価格(税別)の目安 |
|---|---|
| ハイグレードなフルオートタイプ(薄型・多機能) | 約142万円 |
| 標準的なフルオートタイプ | 約128万円 |
| ベーシックなフルオートタイプ | 約118万円 |
| 給湯専用タイプ(追い焚き機能なし) | 約97万円〜101万円 |
追い焚きや自動湯はりの機能を省いた給湯専用タイプは、フルオートタイプより本体価格が抑えられる傾向があります。
浴槽の使い方や必要な機能を整理してから機種を選ぶことで、無理のない価格帯に絞り込みやすくなります。
世帯人数に対してタンク容量が大きすぎても小さすぎても不便になるため、まずは家族構成に合った容量を確認したうえで、価格帯の目安をつかむとよいでしょう。
補助金を使うとさらに安くなる
経済産業省の「給湯省エネ2026事業」を利用すると、エコキュートの導入費用の一部が補助されます(2026年8月19日確認)。
基本額は1台あたり7万円、性能要件を満たす場合はさらに3万円が加算され、合計で最大10万円/台の補助を受けられます。
対象は戸建住宅で最大2台、共同住宅等で最大1台までです。
2026年度の交付申請受付は2026年3月31日から予算上限に達するまで(遅くとも12月31日まで)となっており、対象となる工事の着工日は2025年11月28日以降です。
よくある質問
- エコキュートの価格が極端に安い業者は大丈夫ですか?
-
確認できていません。
今回紹介したメーカー公式の目安価格から大きく外れて安い場合、工事内容や保証の範囲が異なっている可能性があります。
見積もりの内訳(機器代・工事費・撤去費・保証内容)を事前に確認することをおすすめします。 - 見積もりは何社くらいから取ればよいですか?
-
具体的な社数について、公的機関が推奨する基準は確認できていません。
複数の業者から見積もりを取ることで、工事内容や価格の内訳を比較しやすくなります。 - 古いエコキュートの処分費用はかかりますか?
-
多くの場合、既存機の撤去・処分は交換工事に含まれますが、費用の内訳や含まれる範囲は業者によって異なります。
見積もり時に、既存機の撤去・処分費が総額に含まれているかを確認してください。 - 補助金の申請は自分でやるのですか、業者がやるのですか?
-
給湯省エネ2026事業では、事業者登録された施工業者を通じて申請する仕組みです。
具体的な手続きの流れは、依頼する業者や給湯省エネ事業の公式サイトで確認してください。
見積もりを比較するときに確認したいポイント


見積もりを取る際は、以下の項目が総額に含まれているかを確認すると、業者ごとの比較がしやすくなります。
・本体価格(メーカー・型番・タンク容量)
・工事費(配管工事・電気工事を含むか)
・既存機の撤去・処分費
・保証期間と保証内容
・補助金申請のサポートの有無
まとめ
エコキュートの価格は、メーカー希望小売価格(定価)と、工事費込みの実勢価格帯とで大きく異なります。
三菱電機の公式データでは370Lクラスの定価が約128万円である一方、ダイキン工業の公式データでは同クラスの工事費込み目安が50万円〜70万円と示されています。
価格を比較する際は、どちらの数字を見ているのかをまず確認することが大切です。
2026年度は給湯省エネ2026事業により最大10万円/台の補助を受けられる可能性もあるため、あわせて確認しておくとよいでしょう。
価格の目安がつかめたら、まずは複数の業者から見積もりを取って、機器代・工事費・保証内容を比較してみましょう。
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