エコキュートの室外機や貯湯タンクの周りが濡れているのに気づくと、「水漏れでは」と不安になります。
ですが、エコキュートは構造上、運転中に一定量の水を排出する仕組みになっており、その排水を水漏れと勘違いしているケースも少なくありません。
三菱電機の公式情報では、水漏れが疑われる症状の例として、残湯量の減少、湯はりができない、お湯がぬるい、タンク下部の濡れを挙げています。
こうした症状に気づいたときにまず知りたいのは、「様子を見てよいのか、それとも今すぐ対応が必要なのか」という判断基準です。
ここでは、三菱電機・ダイキン工業・パナソニック・コロナの公式情報をもとに、正常な排水と異常な水漏れの見分け方を整理します。
あわせて、部位別の原因と対処法、応急対応、自分で確認できる範囲と業者に依頼すべき範囲、修理費用の目安も紹介します。
「これって普通の排水?それとも水漏れ?」を、まず一緒に確認していきましょう。
エコキュートの水漏れは「結露・熱膨張による排水」なら正常、それ以外は異常のサイン
結論からいうと、エコキュートの水は「運転中に排水口から少しずつ出ている」状態であれば、故障ではなく正常な動作です。
一方で、「運転を止めているのに濡れている」「排水口以外の場所から水が出ている」場合は、異常のサインといえます。
エコキュートには、ヒートポンプユニット(室外機)と貯湯タンクユニットの2つのユニットがあり、それぞれで正常に水が出る仕組みが違います。
ヒートポンプユニットは、大気中の熱をくみ上げてお湯を沸かす際に、背面の熱交換器が冷やされて結露が発生する仕組みです。
三菱電機の公式情報によると、この結露水は沸き上げ運転中に最大毎分0.5L程度、継続して排出されます。
パナソニックの公式情報でも、一晩で10リットル程度になることがあると説明されています。
冬場は霜取り運転にともなって一時的にまとまった量の水が出ることもありますが、これも故障ではありません。
貯湯タンクユニット側は、水を加熱すると体積が膨張する性質を利用した排水です。
パナソニックの公式情報によると、4℃の水を85℃まで加熱すると体積は約3%増加し、370Lタイプで約11L、460Lタイプで約14L分の水が増えます。
タンク内は常に満水のため、この増えた分を逃し弁経由で排水口から少しずつ排出する必要があります。
沸き上げ運転中に排水口から水が出続けるのは、設計上の正常な動作です。
これに対して、運転を止めている時間帯にも常に周辺が濡れている場合や、排水口以外の場所(配管の接続部やユニット本体の側面など)から水が出ている場合は注意してください。
内部の水管や施工箇所からの漏水、あるいは逃し弁の不具合が考えられるため、販売店(据付工事店)やメーカーの修理窓口へ点検を依頼してください。
正常な排水と異常な水漏れの見分け方を整理すると、次のようになります。
| 状態 | 排水口からの排水 | 排水口以外からの水 |
|---|---|---|
| 運転中(沸き上げ・霜取り運転など) | 正常(結露・熱膨張による排水) | 異常(配管・接続部・本体からの漏水の可能性) |
| 運転停止中 | 異常(逃し弁の不具合等の可能性、要点検) | 異常(配管・接続部・本体からの漏水の可能性) |
次の見出しでは、ヒートポンプユニット・貯湯タンク・配管のそれぞれについて、原因と対処法をもう少し詳しく見ていきましょう。
【部位別】水漏れの原因と対処法
ここでは、ヒートポンプユニット・貯湯タンクユニット・配管のそれぞれについて、水が出る原因と対処法を整理します。
ヒートポンプユニット(室外機)からの水漏れ


ヒートポンプユニットの下から水が出ている場合、まず沸き上げ運転中かどうかを確認してください。
運転中であれば、前の見出しで説明した結露や霜取り運転による排水である可能性が高く、対処は不要です。
三菱電機の公式情報では、この結露水は最大毎分0.5L程度、継続して排出されるとされています。
一方、運転を止めているのに周辺が常に濡れている場合は注意が必要です。
ヒートポンプユニット内部の水管からの水漏れ、または設置工事の不備による水漏れが考えられるため、購入した販売店(据付工事店)に点検を相談してください。
パナソニックの公式情報では、排水口以外の場所から水が出ている場合、まずドレンホースに詰まりがないか確認するよう案内しています。
コロナの公式情報も同様で、ドレン排水口以外から水が出ている場合はドレンニップルやドレンホースの詰まりを疑い、清掃を案内している点は共通です。
貯湯タンクユニットからの水漏れ
貯湯タンクユニットの排水口から、沸き上げ運転中にお湯が少しずつ出ているのは、水の熱膨張分を逃し弁経由で排出している正常な動作です。
これに対して、沸き上げ運転をしていない時間帯にも排水口から水が出続けている場合は、逃し弁自体の不具合が考えられ、点検が必要になります。
排水口以外の場所、たとえばタンクの側面や下部から水がにじんでいる、あるいは明らかな量の水が漏れている場合は、タンク本体や内部の配管からの漏水も疑われます。
この場合も自分で分解して原因を確認しようとせず、販売店またはメーカーの修理窓口に相談してください。
ダイキン工業の公式情報では、この種の修理で三方弁や混合弁、風呂循環ポンプといった部品の交換が必要になる場合があるとしており、費用の目安は後の見出しで紹介します。
配管・接続部からの水漏れ
給水配管やふろ配管など、ユニット本体ではなく配管や接続部分から水が漏れているケースもあります。
三菱電機・ダイキン工業のいずれの公式情報でも、配管接続部や配管本体からの漏水は異常とされ、販売店や工事店への点検依頼が必要という扱いです。
配管からの水漏れは、接続部分のゆるみや配管自体の劣化が背景にある場合がありますが、公式情報では「これが最も多い原因である」という順位付けは示されていません。
原因の特定には専門的な点検が必要になるため、水が出ている場所と量を確認したうえで、販売店やメーカーの窓口に状況を伝えて相談するのが確実です。
配管からの水漏れは、水たまりや濡れた跡だけでなく、使用感の変化から気づくこともあります。
「残湯量が減っている」「湯はりができない」「お湯がぬるい」といった変化も、三菱電機の公式情報で水漏れのサインとして挙げられている症状です。
目に見える水たまりがなくても、こうした使用感の変化が続く場合は、配管の見えない部分で漏水が起きている可能性を疑い、販売店に相談してください。
水漏れに気づいたときの応急対応


異常な水漏れだと判断したら、まず被害を広げないための応急対応を行います。
三菱電機の公式情報では、応急対応として給水配管専用の止水栓を閉じることを案内しています。
止水栓が見つからない、または分からない場合は、家全体の水道バルブ(元栓)を閉じてください。
止水栓や元栓を閉じれば、それ以上水が供給されなくなり、床や周辺機器への被害の広がりを抑えられます。
止水栓・元栓の場所が分からない場合や、閉じても水が止まらない場合は、無理に自分で配管をいじろうとせず、そのまま販売店やメーカーの修理窓口に連絡してください。
なお、公式情報で案内されているのは給水側の止水栓・元栓を閉じる対応のみで、電源やブレーカーの操作についての具体的な案内は確認できていません。
電気配線に関わる判断が必要な場合は、自己判断せずに窓口へ相談することをおすすめします。
自分で確認できる範囲と、業者に依頼すべき範囲
水漏れに気づいたとき、どこまで自分で確認してよいのか迷う人も多いはずです。
「見た目で確認する」「排水経路の詰まりを掃除する」といった範囲は自分で対応できる範囲です。
一方、内部の部品交換や配管の接続をやり直すような作業は、専門の業者に依頼する必要があります。
パナソニックの公式情報では、エコキュートの施工(設置工事)に第二種電気工事士の資格が必要という説明です。
これは主に電気配線を伴う設置工事に関する内容です。
水漏れの状況を目視で確認したり、排水口周りを掃除したりする範囲まで、すべてに資格が必要という意味ではありません。
ただし、タンク内部の部品交換や電気配線に関わる修理は、この資格を持つ業者でなければ対応できない作業にあたるため、無資格のまま自分で行うことは避けてください。
自分で確認できる範囲と、業者に依頼すべき範囲の目安は次のとおりです。
| 対応範囲 | 具体例 |
|---|---|
| 自分で確認・対応できる範囲 | 水が出ている場所・タイミングの確認、ドレンホースやドレンニップル周辺の目視確認と清掃、止水栓・元栓を閉じる応急対応 |
| 業者に依頼すべき範囲 | タンクや配管の内部点検、逃し弁・三方弁・混合弁など部品の交換、電気配線に関わる修理、原因が特定できない漏水の調査 |
見た目の確認や清掃をしても改善しない場合、あるいは水が出ている場所を特定できない場合は、無理に分解しようとしないでください。
早めに販売店やメーカーの窓口に相談することをおすすめします。
エコキュートの水漏れ修理費用の目安
修理費用は、原因の部位や交換する部品、依頼先によって異なるのが実情です。
目安の一つとして、ダイキン工業の公式情報では、保証期間終了後に同社へ直接修理を依頼した場合の出張費用を挙げています。
タンクからの水漏れ修理にかかる費用は38,000〜69,000円程度(税込、出張料・技術料・点検費・部品代を含む)です。
実際の金額は住所や設置状況、機種によって変わり、点検の結果修理を行わなかった場合でも出張料と点検費がかかることがあります。
費用の目安はあくまで一例です。気になる場合は見積もりを直接確認するのが確実ですよ。
よくある質問
- 電気工事士の資格がないと、水漏れの原因を確認することもできませんか?
-
いいえ、確認だけであれば資格がなくても行えます。
水が出ている場所やタイミングの確認、目に見える範囲の点検、ドレンホース周辺の清掃といった範囲は自分で対応できる範囲です。
資格が必要になるのは、タンク内部の部品交換や電気配線に関わる修理など、施工に準じる作業です。 - ドレンホースの掃除は自分でしてもいいですか?
-
はい、目視で確認できる範囲の清掃は自分で行えます。
パナソニックやコロナの公式情報では、排水口以外の場所から水が出ている場合、まずドレンホースやドレンニップルに詰まりがないか確認し、清掃するよう案内しています。
清掃しても改善しない場合は、無理に分解しようとせず、販売店やメーカーの窓口に相談してください。 - 修理費用は、ダイキン工業以外のメーカーでも同じくらいですか?
-
確認できていません。
今回の記事で紹介した38,000〜69,000円程度という金額は、ダイキン工業が保証期間終了後の直接依頼について案内している目安です。
他のメーカーや地域の工事店に依頼した場合の費用は分からないため、正確な金額を知りたい場合は依頼先に直接見積もりを確認してください。 - 寒冷地に住んでいますが、自分でドレンホースを延長してもいいですか?
-
おすすめできません。
寒冷地ではドレンホース内に残った水が凍結し、故障の原因になることがあります。
三菱電機やコロナの公式情報では、寒冷地では排水経路を延長する追加工事をしない、またはドレンホースを接続しないという扱いになっています。
まとめ
エコキュートの周りが濡れていても、運転中に排水口から少しずつ水が出ているだけであれば、結露や熱膨張による正常な排水である可能性が高く、対処は必要ありません。
一方、運転を止めているのに濡れている場合や排水口以外の場所から水が出ている場合は、配管や本体の異常が疑われます。
まず止水栓や元栓を閉じて応急対応をしたうえで、販売店やメーカーの窓口に相談してください。
リモコンにエラーコードが表示されている場合は、以下の記事も参考にしてください。


水漏れ以外にお湯が出ない・ぬるい・異音がするといった症状がある場合は、「エコキュートの症状別トラブルシューティング」の記事で確認できます(公開準備中です)。
エコキュートの仕組みや基本的な特徴を知りたい場合は、以下の記事も参考になります。



